ライトハウス (映画) の評価は? 実際に見た感想も掲載

芸術
画像:現地 (TOHOシネマズシャンテ) で撮影したポスターより

ライトハウスは2021年に劇場公開されたミニシアター系の映画である。公開日には、全編白黒というクラシックな映像表現や衝撃的な内容が話題を呼んだ。

今回の記事では、ライトハウスの世間一般評価を紹介する。さらに、筆者個人の感想も掲載するので、併せて参考にして貰えれば幸いである。

この記事に書かれていること

今回の記事に書かれていることを短くまとめると、下記の通りとなる。

・ライトハウスの基本情報
→映画の概要・基本のあらすじ・キャストなどを知ることができる。

・評価まとめ
→世間一般の評価をまとめて知ることができる。

・管理人の感想
→実際に映画館で鑑賞した私個人の感想を知ることができる。

ライトハウス (映画) の基本情報

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=42_UHhpq530

ここでは、映画の情報を「概要&基本のあらすじ」「監督&キャスト」に分けて紹介する。また、ライトハウスの下地となった「実話」も併せて掲載するので必要に応じて読んで欲しい。

概要&あらすじ

映画の概要及び、あらすじは下記の通りである。

概要-

2019年カンヌ国際映画祭で「国際映画批評家連盟賞」を受賞。また、2020年のアカデミー賞においては「撮影賞」にノミネート。その他、各国の映画祭で合計133ノミネート、33受賞を果たしたミニシアター系の映画がライトハウスである。

その内容は19世紀のアメリカを舞台に、嵐の影響で孤島に取り残された二人の灯台守が極限状態まで追い込まれる様子を白黒映像で描くダークスリラー。

製作は「ムーンライト」などで知られるA24スタジオ。監督は「ウィッチ」で長編監督デビューしたロバート・エガース。二人の灯台守りはウィレム・デフォーとロバート・パティンソンが演じる。

先行公開された米国はもちろん、日本においてもその美しくも狂気じみた映像と内容で、ミニシアター系映画としては異例の大きな話題を巻き起こした。

あらすじ

1890年代、アメリカ・ニューイングランドの孤島に灯台守としてベテランのトーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)と経験のない若者イーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)がやって来る。

彼らは4週間にわたって灯台と島の管理を任されていたが、相性が悪く初日からぶつかり合っていた。険悪な空気が漂う中、嵐がやってきて二人は島から出ることができなくなってしまう。外部から隔絶された状況で過ごすうちに、二人は狂気と幻覚にとらわれていく。

引用元:https://movies.yahoo.co.jp/movie/376240/

監督&キャスト

監督やキャストは下記の通りである。

注目点は「ウィッチ」で高い評価を得たロバート・エガース監督、作家性の強い作品を多数輩出しているA24スタジオ、キャリアが豊富なウィレム・デフォー&有名映画に出演経験のあるロバート・パティンソンの俳優コンビと豪華な布陣になっているところだ。

ロバート・エガース監督 
引用元:https://fansvoice.jp/2021/07/12/lighthouse-eggers-interview/

-監督・制作・脚本・キャスト-

監督 ロバート・エガース (ウィッチ)
脚本 ロバート・エガース、 マックス・エガース
製作 ユーリー・ヘンレイ

出演者 ロバート・パティンソン (テネット) 、 ウィレム・デフォー (ゴッホの見た未来)

音楽 マーク・コーヴェン
撮影 ジェアリン・ブラシュケ (ウィッチ)
編集 ルイーズ・フォード
製作会社 A24

配給 アメリカ-A24、日本-トランスフォーマー

公開 アメリカ-2019年、日本-2021年
上映時間 110分
製作国 アメリカ合衆国

ライトハウスは実話?

ライトハウスは実話からインスピレーションを得てつくられた作品である。基になった実話も重く暗い話であり、これを知っておくとより映画の世界観を理解できるだろう。

なお、実話をベースにした映画は意外と多く、私が以前紹介した「運び屋」もその一つである。

この作品のベースには、1801年にイギリス・ウェールズで実際に起きた事件を盛り込んでいる。

この事件は、ウェールズのスモールズ灯台で起きたもので、ハウエルとグリフィスという2人の灯台守のうちグリフィスが、事故により亡くなってしまう。しかし、ハウエルは勝手に死体を処分することで当局から、殺人を問われることを恐れ、腐敗していく死体とともに数カ月過ごすこととなった。

そして職務から解放されたとき、ハウエルの精神状態は崩壊していた。この件を重く見た当局は、これ以後、灯台守を2人から3人に変更したというものだ。

引用元:https://www.worldtimes.co.jp/photonews/121945.html

みんなの評価

映画を鑑賞した人々の評価をいくつかのサイトでリサーチしてみた。ここでは、それを「肯定的意見」「否定的意見」に分けて、私自身の言葉に直しかみ砕いて紹介する。

肯定的意見まとめ
肯定的意見まとめ

まず、モノクロ映像の美しさと印象的な効果音は多くの人々に肯定的に評価された。

次にダークなストーリーや世界観がよくできており、これを称賛する意見も目立った。

最後に主演二人の演技を称賛する意見も多く、演劇のようにレベルが高いとする意見もあった。

否定的意見まとめ
否定的意見まとめ

否定的意見の代表的なものは、まず、世界観が暗すぎて自分には合わない、不快だというものだった。

次にストーリーの意味が分からない、抽象的すぎるという内容の意見も一定数あった。

最後に単純に楽しくない、アートが好きな人向けでついていけないという意見も否定的な人々の中では目立った。

-主要映画サイトの評価-

・yahoo映画→3.2点 / 5
・Filmarks→3.8点 / 5
・映画.com→3.3点 / 5


※全て2022年1月現在の評価

主要映画サイトの評価平均では、5点満点で最低3.2~最高3.8点という数字だった。

個人的評価

実際に購入したパンフレット

ここでは、ライトハウスを鑑賞した筆者の映画評価を「魅力」「欠点」に分けて紹介する。

-ライトハウスの個人的評価-

・3.8点 / 5点 (0.1点刻み)

魅力

個人的に感じた、ライトハウスの魅力は下記の通りである。

世界観とリンクした映像表現

正方形に近いアスペクト比で撮られた映像は文句なしに美しい。「白黒」という表現方法も世界観とマッチしており、よい意味で古典映画のような深みのある趣が感じられる。

陰鬱な世界観とそれを表現する映像の両方がしっかりとしているので、映画そのものに説得力が感じられるのだ。

気迫あふれる演技

映像や世界観がよくても、役者の演技が下手だったら興ざめである。そのような意味で、ライトハウスは役者の演技もしっかりとしていて素晴らしい。

特に主演のロバート・パティンソンとウィレム・デフォーの激しいやり取りは、演劇を間近で見ているような迫力があり、自然と映画の世界に引き込まれていくのを感じた。

印象的な音楽 (効果音)

ライトハウスで使用される音楽 (効果音) の数は多くないが、記憶に残るような上手な使い方をしている。そして、これも映像同様に世界観とよくマッチしており、観客の没入感を高めている。

映像×役者×音楽のトリプル効果で表現全体に厚みが生まれていることは、ライトハウスの一番の魅力といえるだろう。

欠点

個人的に感じた、ライトハウスの欠点は下記の通りである。

カタルシスがない

私がライトハウスを鑑賞して一番不満に感じたのは、カタルシス (感情の浄化) がない、ということである。カタルシスをもっと私的に解釈すれば、「芸術的な快楽」になるが、ライトハウスからはそのようなものが感じづらかった。

もちろん、映像や音楽、役者の演技などは素晴らしいのだが、たとえば、ドッグヴィル ほどは「針が振り切れた感じ」がしないのである。つまり、「芸術作品としては物足りない部分」もあり、それが「カタルシスを感じづらい」要因になっているのだ。

軽いやり取りの必要性を感じない

映画は暗くて重い雰囲気なのでシリアス一辺倒のように見えるが、主演二人のやり取りには意外と「軽い」ものも多い。たとえば、失笑を誘うようなジョークを突然いったり、俗的で下品な表現をしたりする。

このような表現は製作者なりの意図があるのかもしれない。ただ、映画の世界観を考えるともう少し「軽いやり取り」は控えめにして欲しかった。

パンフレットが安っぽい

映画本編には直接関係ないが、日本版のパンフレットには不満がある。なぜ、不満があるのかといえば、「中途半端に観客に媚びた構成」になっているからである。

ここでいう観客とは、普段はミニシアター系映画を見ないような、ライトな層のことだ。このような層に媚びたパンフレットのため、中身が映画本編とはミスマッチな「安っぽい」つくりに感じられる。

たとえば、パンフレットの序盤にはライトハウスの世界観を基にした漫画が掲載されているが、この漫画の絵柄が映画本編の世界観とは合わず、個人的には鑑賞後のイメージを壊されて嫌だった。

ライトハウス (映画) グッズ紹介

ライトハウスでは、パンフレット以外のグッズも販売されていた。その中から、個人的に気に入ったTシャツを紹介しよう。

引用:https://onl.sc/NdZw2Q6

ロゴだけのデザインはシンプルで実用性もありそう。ほどよく肉厚な質感もGood。ロゴTシャツ ¥4,500。

引用:https://onl.sc/NdZw2Q6

ただ、このグッズの存在に気づいたときは、すでに購入できなかった。古着屋「weber」というところが、オンラインでのみ販売していたようである。フォトTシャツ ¥6,000。

アート映画入門に最適

ライトハウスはアート (ミニシアター) 映画としてバランスよくまとまっている作品だ。ただ、芸術的な意味では突き抜けたものがないため、普段からこの類の映画を見慣れている人にとっては、物足りない部分もあるかもしれない。

逆にいえばアート映画としては鑑賞しやすい部類に入るということであり、ライトハウスは入門者向けの「リトマス紙」としても機能する。つまり、ライトハウスが面白いと感じればアート映画に適性があり、逆につまらなく感じるなら、適性がないといえるだろう。

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