運び屋は2018年に米国、2019年に日本で公開された映画である。世界的な知名度があるクリント・イーストウッドが主演と監督を務め、公開後は商業的にも成功を収めた。
今回の記事では、この映画の「評価」と「あらすじ」をさまざまな角度から紹介する。本文を読めば、運び屋に関する基礎知識、世間一般の評価の両方が分かるだろう。
この記事に書かれていること
今回の記事に書かれていることを短くまとめると、下記の通りとなる。
・運び屋の概要とあらすじ
→「映画の概要」と「基本のあらすじ」を知ることができる。
・運び屋の評価まとめ
→「みんなの評価」をまとめて知ることができる。
・管理人の感想
→実際に映画を鑑賞した人間の「リアルな感想」を知ることができる。
運び屋 (映画) の概要&あらすじ
ここでは、「運び屋」の概要とあらすじを中心に、映画に関する情報を紹介する。
基本情報
「運び屋」の基本情報 (概要やあらすじ) は下記の通りである。
-概要-
運び屋はクリント・イーストウッドが主演・監督を務める2018年のアメリカ映画。ニューヨークタイムズ紙に掲載された「The Sinaloa Cartel’s 90-Year-Old Drug Mule」という記事を原案としており、映画は実話に基づいた話とされている。
公開前は高齢のイーストウッドが久々に映画出演することでも話題となった。また、脇を固める俳優陣もブラッドリー・クーパやローレンス・フィッシュバーンなど、アカデミー賞常連俳優が共演していて豪華である。
映画公開後、全世界での興行収入は1億ドルを突破。これは、クリント・イーストウッド監督作品で6本目の快挙となった。
–あらすじ–
90歳になろうとするアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は金がなく、ないがしろにした家族からも見放され、孤独な日々を送っていた。
ある日、男から「車の運転さえすれば金をやる」と話を持ちかけられる。なんなく仕事をこなすが、それはメキシコ犯罪組織によるドラッグの運び屋。
気ままな安全運転で大量のドラッグを運び出すものの、麻薬取締局の捜査官(ブラッドリー・クーパー)の手も迫っているのだった……。
引用元:https://wwws.warnerbros.co.jp/hakobiyamovie/
–キャスト・監督・公開日–
題名:運び屋出演:クリント・イーストウッド (主演)
ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペーニャ、ダイアン・ウィ―スト、アンディ・ガルシア、アリソン・イーストウッド、タイッサ・ファーミガ、他。監督:クリント・イーストウッド
脚本:ニック・シェンク
原題:The MULE公開日:アメリカ=2018年12月
日本=2019年3月
上映時間:1時間56分配給:ワーナー・ブラザース映画
引用元:https://www.anemo.co.jp/movienews/newmovie/hakobiyamovie-11-20190305/
英語版のタイトルと意味
映画「運び屋」の原題は、「The Mule」である。つまり、英語圏では、The Muleという映画タイトルで上映された。
気になるMuleの意味は、「ラバ (馬とロバの中間のような動物) 」や「頑固者」となっている。また、スラングとして「密売人」を意味することもあり、ここから映画タイトルが付けられたと考えられる。
だから何だと思う人もいるかもしれないが、豆知識として知っておくと、より一層映画を楽しめるだろう。
運び屋は実話?
概要でも少し触れたが、映画は実話を基にしてつくられたものとされている。そして、運び屋の元ネタになった人物 (麻薬を運んでいて捕まった) こそ、レオ・シャープという名前の老人なのだ。上にある画像は、彼が警察に呼び止められたときを写したものだ。
レオ・シャープは1924年生まれで、第2次世界大戦を経験しているという。警察に逮捕されたときの年齢は、87歳だった。この年齢は、映画で主演を務めた当時のイーストウッドとも近い (イーストウッドは87~88歳頃、この映画の主演を務めた) 。
事件を報じた新聞記事を日本語に翻訳しているサイトもあるが、それを読むと概ね実話に沿ってつくられた映画で間違いないことが分かる。
レオシャープの現在について
映画の原案にもなった麻薬の運び屋・レオ・シャープの現在はどうなっているのか、気になる人もいるかもしれない。
結論からいうと、彼は2016年12月に92歳で死去したようである。映画が公開されたことで「運び屋」としての一面が有名になってしまったが、その前はデイリリー (ユリ) 栽培の達人としても知られていた。
また、若いときは第二次世界大戦を経験した軍人でもある。激動の時代を生きたレオ・シャープ氏の冥福を静かに祈りたい。
運び屋 (映画) の感想&評価まとめ
「運び屋」の一般的な評価について、個人的にいくつかのサイトをリサーチしたみた。ここでは、それを「肯定的な意見」と「否定的な意見」の二つに分けて、私自身の言葉に直してかみ砕いて紹介する。
まず、主演のクリント・イーストウッドの存在感、演技を称賛する意見が多かった。
次に、決して派手さはないが、良質で味わい深いのある、古きよき映画のようなつくりを褒める意見も目立った。
最後に映画とクリントイーストウッドの人生と重ね合わせて、鑑賞をする人も一定数いた。
否定的な意見では、まず、麻薬の運び屋という題材、主人公のキャラに共感できないという意見が目立った。
次にストーリーはシンプルで分かりやすいが、シンプルすぎて物足りないという意見もあった。
最後に冷静に見ると都合がよすぎる展開が多く、違和感があるという意見もあった。
-主要映画サイトの評価点-
・映画.com→3.8点 / 5
・YAHOO映画→4点 / 5
・Filmarks→3.9点 / 5
※全て2020年12月現在の評価点
各映画評論サイトでの平均点は全て、5点満点中、4点前後になっている。
運び屋 (映画) の個人的感想
ここでは、実際に映画を見た私自身の感想を「魅力」と「欠点」に分けて紹介していく。
魅力
個人的に感じた、運び屋の魅力は下記の通りである。
イーストウッドの存在感と演技
多くの人が絶賛しているように、クリント・イーストウッドの演技と存在感は群を抜いている。まさしく、老練という言葉がピッタリの他の役者では出せない雰囲気だと感じた。
また、80代後半で「監督」と「主演」の両方をこなしてしまうバイタリティにも素直に感服する。
シンプルで分かりやすい構成
「運び屋」は非常にシンプルに構成された映画である。昨今は凝りすぎた設定のため、ある程度予備知識がないと楽しめないようなものもあるが、この映画にはそのような心配はいらない。
そのため、老若男女、誰でも安心して鑑賞できる作品となっている。余計なことを考えないで素直に映画の中に入り込めるシンプルさは、とても魅力的に感じた。
安定感のあるつくり
前項の「シンプルな構成」とも関連する話だが、映画全体のつくりが良質で安定感がある。これは、奇抜な映像表現やストーリーに頼らない、正統派の映画らしい映画だと感じた。
このようなつくりのため、たとえば、序盤にイーストウッドがお気に入りの音楽をかけながら麻薬を運ぶような単純なシーンでさえ、ワクワクして楽しめる。
構成自体はシンプルだが、基本を押さえてしっかりとつくられているため、上記のような何気ないシーンでも、観客は映画の世界を存分に味わえるのだろう。
欠点
個人的に感じた、運び屋の欠点は下記の通りである。
映画的なご都合主義がある
ごく一部ではあるが、映画的なご都合主義を感じる部分もあった。具体的なことはストーリーに関わる部分なので伏せるが、終盤のある展開は伏線もあまり張られておらず、唐突すぎると感じた。
これは恐らく、映画として成立させるために仕方のなかったことなのだろう。
ただ、個人的には、序盤のある意味お気楽で牧歌的な雰囲気が好きだっただけに、取ってつけたような終盤の急展開は、その魅力を壊しているようにも感じた。
運び屋は正統派の映画
運び屋は小手先の映像表現や配役などでごまかさない、正統派の映画である。派手さはないが、このような正統派の作品からは、映画が本来持つ魅力や楽しさを存分に味わうことができる。
そのため、他のイーストウッド監督作品が好きな人、良質な映画をじっくりと楽しみたい人はぜひ、鑑賞してみてはいかがだろうか。
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