演繹法・帰納法・アブダクションという用語は哲学的で難解なイメージだが、言葉自体は知っている人もいるだろう。
ただ、それぞれの用語が持つ意味や違いまで理解している人は少ないはずだ。今回の記事では、各用語の持つ意味とその違いについて、端的に解説する。
この記事に書かれていること
今回の記事に書かれていることを短くまとめると、下記の通りとなる。
①基礎知識の解説
→3つの用語の関係性、推論の意味を知ることができる。
②演繹法・帰納法・アブダクションの意味を個別に解説
→違いを比較しながら、それぞれをざっくりと理解することができる。
それぞれの関係性と推論について
演繹法・帰納法・アブダクションはいずれも、ある物事を推論 (≒予測) するための「型」である。このような「型」は世の中にいくつもあるが、上述した3つはセットで語られることが多くなっている。
セットで語られる理由は、それぞれが推論の基本となる考え方だからである。つまり、3つの「型」は全て、推論の基礎的要素として欠かせないものなのだ。次項から、各用語ついて具体的に解説する。
・推論とは?
推論とは、すでに知っている事柄を元にして未知の事柄について予想し、論じること。もし、分かりづらいなら、「予想」や「予測」と似たような意味と捉えてもよいだろう。
演繹法を端的に解説
演繹法 (えんえきほう) とは、「論理による推論」である。そして、その論理を支える重要な要素の一つが「三段論法」である。
三段論法に当てはめて物事を考えると、論理的に矛盾のない結論が導き出される。最も身近な例でいうと、数学で習う考え方のほとんどは演繹法である。演繹法に関するさらに詳しい解説は、下記の記事でも行っている。
帰納法を端的に解説
帰納法 (きのうほう) とは、「観察による推論」である。具体的には、「複数の物事を観察して、それぞれの共通点を見つけ出し、矛盾のない結論を導き出す」方法を指す。
また、帰納法は演繹法と対で紹介されることも多く、両方を知ることでより理解が深まるようになっている。帰納法に関する詳しい解説は、下記の記事でも行っている。
アブダクションを端的に解説
アブダクションとは、「①誘拐」と「②仮説による (仮説的) 推論」の2つの意味を持つものである。①は英語を直訳した一般的な文脈として、②は哲学的な考え方の文脈として使われることが多い。
「仮説的推論」は言葉の通り、ある状況を見て物事を推論 (≒予測) していく方法である。具体的には、前提となる結論 (≒ 結果) から、そのようになった理由を理解するために、逆算して推論していく行為を指す。
客観的に見て説得力があれば、どのように考えてもよいので、自由で創造的な推論方法ともいえるだろう。アブダクションに関する詳しい解説は、下記の記事でも行っている。
推論方法の違いによって分類されている
演繹法は「論理による推論」、帰納法は「観察による推論」、アブダクションは「仮説による推論」という違いがある。
推論とは、平たくいえば、予測などと似たような意味。それを行う方法 (型) の違いによって、演繹法・帰納法・アブダクションと分類されるのである。
なお、各用語のさらに詳しい解説については、それぞれの個別記事 (リンク先) を見て欲しい。
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