アブダクションとは? その意味を解説

哲学

「アブダクション」は普段聞き慣れない言葉だが、その意味を知りたいと思っている人も多いだろう。

今回の記事では、①一般的な意味、②哲学的な意味の二つに分け、アブダクションという言葉について解説していく。

アブダクションとは?

アブダクションとは、複数の意味を持つ言葉である。ここでは、主に使われている二つの意味に焦点を当て、それぞれを解説する。

意味①:誘拐

アブダクションを英語表記すると「abduction」となる。そして、英語のabductionの持つ意味は「誘拐」だ。

これが日本語でも定着し、カタカナ表記のアブダクションでも、誘拐という意味で使われることがある。つまり、一般的な意味としてのアブダクションは「誘拐」と覚えておくとよいだろう。

意味②:仮説的推論

アブダクションのもう一つの意味は「仮説的推論」である。仮説的推論は聞き慣れない言葉かもしれないが、哲学と関係の深い用語と理解しておけば間違いはない。

詳しくは次項で述べるが、哲学的な思考方法である演繹法 (えんえきほう) や帰納法 (きのうほう) と併せて語られることも多いのが特徴だ。

まとめると、哲学的な意味としてのアブダクションは「仮説的推論」。仮説的推論とは、演繹法や帰納法と同じく、哲学的な思考方法の一つである。

アブダクションとは?

①一般的な意味→誘拐

②哲学的な意味→仮説的推論

哲学としてのアブダクション

アブダクションの一般的な意味である「誘拐」は誰でも理解できるだろう。一方、哲学的な意味である「仮説的推論」は理解するのが難しく感じるかもしれない。

そこで、ここでは、哲学的な文脈で語られるアブダクション (仮説的推論) について、より掘り下げて解説する。

考え方と具体例

哲学の世界ではアブダクションを「仮説的推論」と訳すことからも分かる通り、物事を観察して仮説を立て、推論 (平たくいえば予想) していく行為を指す。

たとえば、警察や探偵は現場の状況から、何が起きたのかを考えることがあるはずだ。現場が不自然に荒れていたら、誰かと争ったと推論するかもしれない。これは一種アブダクションである。

また、アブダクションは「理解できない事柄に用いる」のも特徴である。上記の例でいえば、警察や探偵はそのときの現場の状況が分からないからこそ、アブダクションを行うのだ。

哲学としてのアブダクション まとめ

①仮説的推論のこと。

②仮説的推論とは、理解が難しい事柄を観察して仮説をつくり、推論していくこと。

チャールズ・サンダース・パースについて

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/チャールズ・サンダース・パース

チャールズ・サンダース・パース (1839~1914年) はアメリカ合衆国出身の哲学・論理学者である。

パースはアブダクションと関係が深い。なぜなら、アブダクションという考え方を広めたのは彼だからである。

また、パースは演繹法や帰納法を意識しており、これらに対する新しい考え方としてアブダクションを提唱した。つまり、演繹法・帰納法・アブダクションは哲学的な考え方の三点セットといえるのだ。

演繹法や帰納法の詳細については、下記記事でも紹介しているので参考にしてみて欲しい。さらに余裕があれば、同じく哲学の世界で有名な弁証法という思考法についても、見てみるとよいだろう。

アブダクションの雑学

ここでは、アブダクションの雑学として、これまで触れてこなかったものをいくつか紹介する。あくまでも雑学なので、気軽に読んでもらえれば幸いである。

アブダクションマシン (筋トレ)

引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/アブダクション_(ウエイトトレーニング)

筋トレの世界でもアブダクションという言葉を使う。筋トレにおけるアブダクションとは、中殿筋を鍛えるトレーニングを指す。

そして、上の画像がそのトレーニングに使う「アブダクションマシン」である。

アブダクション (映画)

タイトルに「アブダクション」が含まれる映画は複数ある。たとえば、2017年の「アブダクション」、2019年の「アブダクション・プロジェクト 遭遇」などだ。

内容はいずれもSFをベースにしたものであり、良くも悪くもB級映画の雰囲気が漂っている。気になる人は、タイトル名で検索すれば、詳細を知ることができるだろう。

アブダクション (UFO)

オカルトと関連付けてアブダクションという言葉を使うこともある。具体的には、UFOに乗った宇宙人に誘拐されるのを指して、アブダクションと呼ぶ。

また、分かりやすく「エイリアン・アブダクション」「UFO・アブダクション」などと呼ぶこともあるようだ。

アブダクションにはさまざまな意味がある

アブダクションにはさまざまな意味があるが、主に使われるのは一般的な直訳である「誘拐」哲学の世界で使われる「仮説的推論」の二つである。

仮説的推論とは、ある事柄を観察して仮説をつくり、それを下敷きにして推論していくこと。

哲学において、演繹法・帰納法・アブダクションの三つは関連性が深い用語である。

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