デカルトは17世紀に活躍した哲学者である。このページを開いたあなたは、そんなデカルトの名言に興味があり、詳しく知りたいと思っているのだろう。
そこで今回の記事では、デカルトの名言を厳選して、英語訳付きで紹介する。
デカルトや哲学に関する知識がない人でも楽しめる構成にしたので、ぜひ興味があるところだけでも読んでもらえると嬉しく思う。
この記事に書かれていること
この記事に書かれていることを短くまとめると、下記のようになります。
それぞれの詳細については、記事本文をご覧ください。
・デカルトとは?→17世紀に活躍したフランスの哲学者。
・デカルトの名言集→デカルトの名言の中から、特に共感できるものを厳選。英語訳付きで紹介している。
・デカルトの有名な言葉→「我思う、故に我あり」の英語、フランス語、ラテン語訳を掲載。
デカルトとは?
ルネ・デカルトとは、17世紀に活躍したフランス生まれの哲学者である。合理主義哲学の元祖とされる。
デカルトは哲学のほか、数学も得意であり、両方の学問で実績を残しました。
数学が得意という特徴からもわかるように、デカルトは「人間の理性」を重視する人です。
この辺のことを知っていると、今回の名言もより楽しめると思います。
デカルトがどのような人物なのかについては、下記記事で詳しく解説している。必要に応じてチェックしてほしい。
デカルトの名言集
ここでは、デカルトの名言をいくつか紹介する。「日本語→英語」の順番になっているので、それぞれをじっくりと味わえるはずである。
なお、名言の下には、私なりの解釈や感想も添えてある。
デカルトの名言①
世界を征服するより、自分自身を征服せよ。
Conquer yourself rather than the world.
引用元:https://x.gd/9F5W9
「自分自身を征服せよ」とは、「自分に勝て」ということではないだろうか。常に自分自身を征服 (勝つ) するのは、簡単なようでとても難しいことである。
デカルトの名言②
疑いは知のはじまりである。
Doubt is the origin of wisdom.
引用元:https://x.gd/w1ng6
あらゆるものを疑った、デカルトらしい名言である。全てを疑い、自分の頭で考えることが知性を鍛えるといいたいのだろう。
デカルトの名言③
不決断以外に深く後悔させるものはない。
For nothing causes regret and remorse except irresolution.
引用元:https://x.gd/w1ng6
「決断しない (不決断)」 とは、言い換えれば「逃げ」である。逃げればそのときは安全であるが、後悔することも少なくない。
この名言には、そのような意味が込められているのではないだろうか。
デカルトの名言④
難問はそれを解くのに適切かつ必要なところまで分割せよ。
Divide each difficulty into as many parts as is feasible and necessary to resolve it.
引用元:https://x.gd/w1ng6
どんなに難しい問題でも、細かく分割すれば解決がしやすくなる。シンプルでわかりやすい、現代でも使い方によっては、さまざまな場面で活用できそうな名言である。
デカルトの名言⑤
良識はこの世でもっとも公平に配分されているものである。
Good sense is of all things in the world the most equally distributed.
引用元:https://x.gd/w1ng6
デカルトの著書「方法序説」の書き出しに出てくる名言である。
解釈の仕方はいろいろあるが、素直に読めば、良識 (≒理性) はこの世のすべての人の中にある。これを正しく使えば、誰もが同じ結論 (真理) に導かれるといいたいのだろう。
デカルトの名言⑥
人間の誤りの主な原因は、幼少期に身に付いた偏見である。
The chief cause of human errors is to be found in the prejudices picked up in childhood.
引用元:https://x.gd/w1ng6
偏見というのは多かれ少なかれ、人間はみんな持っている。特に幼少期に身に付けた偏見は、本人も気づかないうちに信じ込んでいるパターンが多い。
デカルトは、そのような本人にとっては当たり前のことについても、疑いの目を向けることが大切だといいたいのだろう。
多くの場合、幼少期に身に付けた偏見というのは、その国特有の文化や環境、周囲の人間からの偏った情報として刷り込まれることも多いはずだ。
デカルトの名言⑦
良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである。
The reading of all good books is like conversationwith the finest men of past centuries.
引用元:https://x.gd/3JMRv
本を読むことで、自分の知らない新しい世界に触れられるのは今でも同じことだ。
特に「古典」と呼ばれれているような名著は、普遍的な価値がある。それこそ、デカルトのいうように過去の偉人たちと会話しているようなものだろう。
デカルトの名言⑧
実際に人々が何を考えているのかを理解するには、彼らの言葉ではなく、行動に注意を払えばよい。
To know what people really think, pay regard to what they do, rather than what they say.
引用元:https://x.gd/w1ng6
言葉は建前でごまかすこともできる。しかし、行動はその人の本質が表れる (ボロが出やすい) ので、そのようなことが難しい。
たとえば、口ではやる気があるといいつつ、裏で勉強をさぼっている子供がいるとしたら、実際はやる気がないと判断できるのではないだろうか。
デカルトの名言⑨
思考を除いて、我々の力の中で絶対的なものなど存在しない。
Except our own thoughts,there is nothing absolutely in our power.
引用元:https://x.gd/3JMRv
これも②同様、デカルトらしい名言である。人間の理性を重視するデカルトにとって、文字通り思考 (考えること) は、最も信頼できる絶対的なものだったに違いない。
デカルトの名言⑩
1日を大切にせよ。その差が人生の差につながる。
Live everyday preciously. That difference will change your life.
引用元:https://x.gd/wqYfj
何事においても、1日、1日の積み重ねが重要である。小さな積み重ねでも、ある程度の年月が過ぎれば、大きなものとなる。
そうやって目的意識を持って日々を積み重ねている人は、毎日を大切にする。そうではないと、何となく1日を過ごしてしまいがちである。
そのような意識の差が、最終的には人生の差につながるといいたいのだろう。
デカルトの有名な言葉
デカルトの最も有名な言葉 (命題) は、「我思う、ゆえに我あり」である。具体的意味は分からなくても、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。
最後にこの言葉について、日本語と英語はもちろん、デカルトの母語であるフランス語、さらに当時の学術的論文でよく使用されたラテン語で紹介しよう。
なお、「我思う、ゆえに我あり」そのものの意味は別記事で解説している (→デカルトってどんな人? その哲学をわかりやすく解説)。
日本語&英語
我思う、ゆえに我あり。
I think, therefore I am.
引用元:https://x.gd/sbYxD
日本語と英語だと、上記の通りとなる。シンプルで短い表現だが、不思議と頭の中に残る言葉である。
フランス語&ラテン語
我思う、ゆえに我あり。
Je pense, donc je suis.
cogito, ergo sum.
引用元: https://x.gd/sbYxD
上から二番目がフランス語、三番目がラテン語での表現である。
フランス語読みをカタカナで表すと「ジュ パンス ドンク ジュ スィ」、ラテン語読みをカタカナで表すと「コギト‐エルゴ‐スム」となる。
これも日本語や英語同様、意味はわからなくても、頭に残りやすい音の響きではないでだろうか。
デカルトの名言は静かで深い
デカルトの名言は派手ではないものの、静かで深みがある。それは、本人の人物像、生き方のイメージと重なる部分ともいえる。
ここで紹介した以外にもデカルトの名言はあるので、気になる人はさらにその哲学世界に浸ってみるとよいだろう。
そのときは、下記のような「人生指南書」としてのデカルト本を読んでみるのも新鮮で面白いはずである。
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