あなたは横浜トリエンナーレについてまとめられた、分かりやすい情報が欲しいと思っているのだろう。
横浜トリエンナーレに関する情報はネット上にいくつかあるが、それぞれの情報量が多く、一つにまとまったものを見つけるのは難しい。
そこでこの記事では、横浜トリエンナーレに関するあらゆる情報を俯瞰的にまとめた。本文を読めば、誰でも全体像を把握することができるはずである。
この記事に書かれていること
この記事に書かれていることを短くまとめると、下記のようになります。
それぞれの詳細については、各項目をご覧ください。
基本的に、どこから読んでも内容は分かるように構成しています。
・横浜トリエンナーレとは→横浜市で3年に一度開催している国際美術展 (芸術祭)。
・横浜トリエンナーレの歴史→2001年に第一回展開催、2024年時点で第八回展まで開催。
・Q&A及び深掘り情報→所要時間や評判など、気になる情報をまとめて紹介。
横浜トリエンナーレの基本情報
横浜トリエンナーレとは、神奈川県横浜市で3年に一度開催している、現代アートを中心とした国際美術展 (芸術祭) である。「トリエンナーレ」は、3年ごとを意味するイタリア語。
このアートイベントは全国各地でいくつか見られるが、20年以上の歴史がある横浜トリエンナーレはその中でも特に有名だ。
横浜トリエンナーレが開かれている期間は、市内全体が華やかな雰囲気となる。また、全国から多くの人がこの国際展を見るために訪れる。
横浜トリエンナーレの歴史を紹介
横浜トリエンナーレは2001年に記念すべき第一回展が開催された。以来、 (基本的に) 3年に一度のペースでこれまで第八回展まで企画開催されている。
ここでは、その過去 (歴史) を順番に振り返ろう。
横浜トリエンナーレ 第一回 (2001年)
横浜トリエンナーレの第一回展は、2001年に開催。このときのテーマ (コンセプト) は「メガ・ウェイブ-新たな統合に向けて-」だった。
当時は今よりも現代アートが身近ではなかったので、時代の先を行く斬新な作品の数々は多くの人々に驚きを与えた。
また、会田誠など、今では超有名といえる日本人アーティストが多数参加しているのも特徴だ。当時を詳しく知る資料としては、横浜トリエンナーレ2001の歩き方がある。
第一回 (2001年) 会場
横浜トリエンナーレの第一回展 (2001年) で主に会場となった場所は「パシフィコ横浜展示ホール」、「横浜赤レンガ倉庫一号館」 。その他、「ヨコハマ・グランドインターコンチネンタルホテルの外壁」も作品展示に使われた。
関連するエピソードとしては、当時の赤レンガ倉庫はまだ廃屋状態であり、それを展示会場として使ったのは新鮮だった。
また、詳しくは「横浜トリエンナーレとバッタ」の項目で述べているが、今でも話題になる巨大なバッタは、この年のトリエンナーレで初めてお披露目された。
第一回 (2001年) 作家&作品
横浜トリエンナーレの第一回展 (2001年)では、109人の美術作家が参加、113作品が展示された。
主な作家・作品名としては、会田誠 (ジューサーミキサー) 、草間彌生 (エンドレス・ナルシス・ショウ) 、塩田千春 (皮膚からの記憶-2001-) 、束芋 (にっぽんの通勤快速) 。
やなぎみわ (マイグランドマザー アユミ) 、楊福東 (スー・シャオ・シャオ) 、蔡國強 (花火大会-天から) 、椿昇+室井尚 (インセクト・ワールド 飛蝗) など。
第一回 (2001年) その他データ
第一回展に関するその他のデータは下記の通りとなっている。
なお、総入場者数とチケット販売枚数が異なるのは、この年に限らずフリーパスに代表される多様な鑑賞システム、一部無料エリアなどもあったためと思われる。
・ディレクター→河本信治、建畠 晢、中村信夫、南條史生
・総入場者数→約35万人
・チケット販売枚数→約17万枚
横浜トリエンナーレ 第二回 (2005年)
横浜トリエンナーレの第二回展は、2005年に開催した。このときのテーマ (コンセプト) は「アートサーカス-日常からの跳躍-」である。
第二回展は参加型のパフォーマンス、その場の環境を活かしたインスタレーション (空間芸術) など、「静的」ではなく、「動的」な会場構成が一番の特徴だった。
当時を知る資料としては、横浜トリエンナーレ2005 アートサーカス がある。こちらは参加アーティストや作品紹介はもちろん、黒色を基調としたシックな表紙デザインも個人的には好印象だ。
第二回 (2005年) 会場
横浜トリエンナーレの第二回展でメイン会場となった場所は「山下ふ頭3・4号上屋」である。その他、「山下公園」や「横浜中華街」にも作品設置された。
また、前項で第二回展は「動的な会場構成」が特徴だったと説明した。これは総合ディレクターを務めた川俣正氏の「ワーク・イン・プログレス」という考えに基づいて構成されたものだ。
ワーク・イン・プログレスとは、現地で制作を続けるようなスタイルを指す。実際、川俣氏本人もこのスタイルで作品制作することが多い。
第二回 (2005年) 作家&作品
横浜トリエンナーレの第二回展 (2005年) では、86人の美術作家 (団体) が参加、84作品が展示された。数だけ見れば、前回よりも作家・作品共に減ったことになる。
主な作家・作品名としては、奈良美智+graf (Yokohama seaside tenement house) 、池水慶一 (コンニチハヨコハマソウコデス) 、ルック・デルー (スパイバンク) 、ダニエル・ビュラン (海辺の16,150の光彩) 。
高嶺格 (鹿児島エスペラント) 、堀尾貞治+現場芸術集団「空気」 (あたりまえのこと) 、ムタズ・ナスル (ジ・エコー) など。
第二回 (2005年) その他データ
第二回展 (2005年) に関するその他のデータは下記の通りである。
補足として、第二回展は当初2004年に開催予定だったが、諸事情で2005年に延期した。その辺りのことは、「横浜トリエンナーレの中止延期」項目で詳しく説明している。
・ディレクター→川俣 正
・キュレーター→天野太郎、芹沢高志、山野真悟
・総入場者数→約19万人
・チケット販売枚数→約12万枚
横浜トリエンナーレ 第三回 (2008年)
横浜トリエンナーレの第三回展は、2008年に開催した。このときのテーマ (コンセプト) は「TIME CREVASSE ータイムクレヴァスー」である。
コンセプトを見ても分かるように、第三回展は「時間」という概念を軸として構成。会期中は多くのパフォーマンスやライブイベントも行われた。
当時を知る資料としては、アートシティ・ヨコハマガイドブック 横浜トリエンナーレの街を歩く がある。これは「横浜トリエンナーレ2008」だけではなく、「横浜市の観光案内」としても機能している意欲的なつくりである。
しかも、美術雑誌らしくマニアックなスポット中心に紹介されているのが面白い。このように2008年当時の横浜を知り、味わうという意味でも、ぜひ手に入れたい一冊となっている。
第三回 (2008年) 会場
横浜トリエンナーレの第三回展でメイン会場となったのは、「新港ピア(新港ふ頭展示施設)」、「日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)」、「横浜赤レンガ倉庫1号館」、「三渓園」である。
その他、「無料の会場も三つ設置」された。この中で注目すべきは、三渓園だろう。三渓園は歴史のある日本庭園であり、そのような場所を会場として使うのは今回が初めての試みだったからだ。
第三回 (2008年) 作家&作品
横浜トリエンナーレの第三回展 (2008年) では、70人の美術作家が参加、66作品が展示された。前回同様、どちらかというとマニアックな人選だが、オノ・ヨーコなどの一般に知られている人物も参加している。
具体的な作家・作品名としては、オノ・ヨーコ (テレフォン・イン・メイズ) 、大巻伸嗣 (
Memorial Rebirth) 、マシュー・バーニー (ヴェールの守護者) 、ツァオ・フェイ (トリエンナーレで遊んでみよう – RMBシティプロジェクト) 。
内藤礼 (無題) 、中谷芙二子 (雨月物語-懸崖の滝 Fogfalls #47670) 、マリオ・ガルシア・トレス (壁の間の秘密) など。
第三回 (2008年) その他データ
第三回展 (2008年) に関するその他のデータは下記の通りである。
データを見る限り、総入場者数は過去最高を記録しており、話題性もあった美術イベントといえるだろう。
・ディレクター→水沢 勉
・キュレーター→ダニエル・バーンバウム、フー・ファン、三宅暁子、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト、ベアトリクス・ルフ
・総入場者数→約55万人
・チケット販売枚数→約9万枚
横浜トリエンナーレ 第四回 (2011年)
横浜トリエンナーレの第四回展は、2011年に開催。このときのテーマ (コンセプト) は「OUR MAGIC HOUR ー世界はどこまで知ることができるか?ー」だった。
科学や理性だけでは解き明かせない物事に目を向け、開かれた世界との関り方を示すという、今までとは少し違う方向性で作品展示を行った。
当時を知る資料としては、ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR ─世界はどこまで知ることができるか?─ 公式カタログ がある。これは題名通りの公式カタログなので、コレクション性もある一冊だ。
第四回 (2011年) 会場
横浜トリエンナーレの第四回展でメイン会場となったのは、「横浜美術館」、「日本郵船海岸通倉庫(BankART Studio NYK)」である。
今までは国際交流基金が中心となって横浜トリエンナーレを運営していた。しかし、第四回展から運営の中心は横浜市に移った。
その関係もあって、横浜美術館が初めて主会場として使われたのもこのときからである。
第四回 (2011年) 作家&作品
横浜トリエンナーレの第四回展 (2011年) では、79人の美術作家が参加、337作品が展示された。荒木経惟などの超有名人の他、シュルレアリスム系の作家が複数参加しているのも特徴である。
具体的な作家・作品名としては、荒木経惟 (センチメンタルな旅 春の旅) 、横尾忠則 (黒いY字路 17) 、オノ・ヨーコ (カット・ピース1965) 、石田徹也 (屋上へ逃げる人) 、イサム・ノグチ (真夜中の太陽) 。
ブランクーシ (空間の鳥) 、ダミアン・ハースト (サムサラ/輪廻転生) 、ルネ・マグリット (王様の美術館) 、マックス・エルンスト (少女が見た湖の夢) 、マン・レイ (不滅のオブジェ) など。
第四回 (2011年) その他データ
第四回展 (2011年) に関するその他のデータは下記の通りである。第四回展でディレクターは二人いるが、共に女性が務めている。
・ディレクター→逢坂恵理子、三木あき子
・総入場者数→約33万人
・チケット販売枚数→約17万枚
横浜トリエンナーレ 第五回 (2014年)
横浜トリエンナーレの第五回展は、2014年に開催。このときのテーマ (コンセプト) は「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」だった。
「華氏451」とは、米国のSF小説家であるレイ・ブラッドベリの作品名から借用しており、意味深でメッセージ性の強い展覧会となった。
当時を知る資料としては、ヨコハマトリエンナーレ 華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある 2014 が最適だ。ただ、日本語版と英語版が混在しているようなので、事前に意識してチェックしておくとよいだろう 。
第五回 (2014年) 会場
横浜トリエンナーレの第五回展でメイン会場となったのは、「横浜美術館」、「新港ピア(新港ふ頭展示施設)」である。
会期中は多様なアートプログラムを実施。また、現代アートの魅力を広く伝えるために市民による鑑賞ガイドを新しく編成するなど、横浜市全体でこのイベントを盛り上げた。
さらに、第五回展は「東アジア文化都市2014横浜特別事業」としての位置付けもあった。
第五回 (2014年) 作家&作品
横浜トリエンナーレの第五回展 (2014年) では、79人の美術作家が参加、444作品が展示された。その中には、当時美術関係者以外からも注目を集めていた大竹伸朗がいる。
主な作家・作品名としては、大竹伸朗 (網膜屋/記憶濾過小屋) 、やなぎみわ (演劇公演「日輪の翼」のための移動舞台車) 、松井智惠 (一枚さん) 。
アンディ・ウォーホル (鎌と槌) 、ルネ・マグリット (出現) 、三嶋安住 (青い水晶) 、坂上チユキ (人のことばで傷つくのはもう御免だ これからは鳥のことばで鳥と語ろう) など。
第五回 (2014年) その他データ
第五回展 (2014年) に関するその他のデータは下記の通りである。
ディレクターを務めた森村泰昌氏は自身も美術作家であり、セルフポートレートの作品がよく知られている。
・ディレクター→森村泰昌
・総入場者数→約21万人
・チケット販売枚数→約10万枚
横浜トリエンナーレ 第六回 (2017年)
横浜トリエンナーレの第六回展は、2017年に開催した。このときのテーマ (コンセプト) は「島と星座とガラパゴス」である。
具体的には、「接続性」と「孤立」をキーワードとして、それぞれの存在がつながる展覧会として構成されている。また、いくつかの分野から専門家を招いて話し合う、公開対話シリーズも企画された。
当時を知る資料としては、島と星座とガラパゴス ヨコハマトリエンナーレ2017 公式図録 がある。こちらは記事執筆時点で新品も販売されているので、売り切れにならなければきれいな状態のものが手に入るだろう。
第六回 (2017年) 会場
横浜トリエンナーレの第六回展でメイン会場となったのは、「横浜美術館」、「横浜赤レンガ倉庫1号館」、「横浜市開港記念会館 地下」である。
第六回展の開催年は大政奉還から150年目という節目にもあたり、今回のキーワードに沿った歴史的建造物や場所も「ヨコハマサイト」として紹介した。
第六回 (2017年) 作家&作品
横浜トリエンナーレの第六回展 (2017年) では、38組の美術作家、1プロジェクトが参加した。作品数については、残念ながら手元の資料に記載がなかった。
今回の参加者の中で存在感が大きいのは、アイ・ウェイウェイ (河の蟹 / Reframe /安全な通行) だろう。彼は世界的に知られたアーティストであり、個人的にも森美術館で開催された個展を見たことがある。
その他の主な作家・作品名としては、ミスター (志木駅から15分) 、青山悟 (Glitter Pieces #1) 、ジョコ・アヴィアント (善と悪の境界はひどく縮れている) 、イアン・チェン (使者は完全なる領域にて分岐する) など。
第六回 (2017年) その他データ
第六回展 (2017年) に関するその他のデータは下記の通りである。
データを見る限り、総入場者数に関しては、前回よりも増えているのが分かる。
・ディレクター→逢坂恵理子、三木あき子、柏木智雄
・総入場者数→約26万人
・チケット販売枚数→約10万枚
横浜トリエンナーレ 第七回 (2020年)
横浜トリエンナーレの第七回展は、2020年に開催した。このときのテーマ (コンセプト) は「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」である。
さらに、細分化したキーワードとして「発光」「独学」「友情」「ケア」「毒との共生」の5つがあり、ここから具体的な形として展覧会をつくりあげた。
当時を知る資料としては、ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW―光の破片をつかまえる」公式カタログ がある。こちらは多数の写真と作品解説が掲載。実際に会場にいるような臨場感のある内容が魅力となっている。
第七回 (2020年) 会場
横浜トリエンナーレの第七回展でメイン会場となったのは「横浜美術館」、「プロット48」、「日本郵船歴史博物館」である。
2020年はコロナウィルスが流行り開催も危ぶまれたが、2週間遅れで無事に開幕。また、このときからオンラインメディアも積極的に活用されるようになった。
第七回 (2020年) 作家&作品
横浜トリエンナーレの第七回展 (2020年) では、69組の美術作家が参加した。作品数については、手元の資料に記載がないので不明である。
主な作家・作品名としては、ニック・ケイヴ (回転する森) 、エヴァ・ファブレガス (からみあい) 、さとうりさ (双つの樹) 、アリュアーイ・プリダン (生命軸) 、飯川雄大 (デコレータークラブ 配置・調整・周遊) など。
巨大なインスタレーション (空間芸術) はもちろん、事前予約が必要な「体験型作品」があるなど、最新の現代アートを満喫できるラインナップとなっている。
第七回 (2020年) その他データ
第七回展 (2020年) に関するその他のデータは下記の通りである。
ディレクターを務めた「ラクス・メディア・コレクティヴ」は、インドを拠点に活動する三人組のアーティスト集団として知られている。
・ディレクター→ラクス・メディア・コレクティヴ
・総入場者数→約15万人
・チケット販売枚数→約6万枚
横浜トリエンナーレ 第八回 (2024年)
横浜トリエンナーレの第八回展は、2024年に開催した。このときのテーマ (コンセプト) は「野草:いま、ここで⽣きてる」である。
第八回展のコンセプトはかなり細かく練られているが、コロナ後の日本を含む世界の急激な変化もあり、社会 (政治) 的な色合いが濃いのが一つの特徴である。
当時を知る資料としては、『野草:いま、ここで生きてる』公式カタログ がある。ただ、記事執筆時点 (2024年6月) ではまだ販売されていない。
第八回 (2024年) 会場
横浜トリエンナーレの第八回展でメイン会場となったのは、「横浜美術館」、「旧第一銀行横浜支店」、「BankART KAIKO」である。
また、「クイーンズスクエア横浜」、「元町・中華街駅連絡通路」では、無料で見られる作品が展示された。
第八回展開催中はこの他にも、「アートもりもり!」と称して多数のアートプログラムが市内各所で行われており、かなり見ごたえのあるものとなっている。
第八回 (2024年) 作家&作品
横浜トリエンナーレの第八回展 (2024年) では、94組の美術作家が参加した。作品数については、記載がないので不明である。
主な作家・作品名としては、坂本龍一 (ナム・ジュン・パイク追悼ライブfarewell, njp) 長谷川潔 (コップに挿した野草) 、岡本太郎 (作品名不明) 、尾竹永子 (A Body in Fukushima) 。
ラリー・クラーク (Dead 1970) 、シビル・ルパート (サドのためのデッサン) 、アネタ・グシェコフスカ (Mama #40) 、リー・ピーファン (華僑小学生) 、小林昭夫とBゼミ (F.A.S. WAVE にっぽん・かまいたち展) など。
第八回 (2024年) その他データ
第八回展 (2024年) に関するその他のデータは下記の通りである。
なお、記事執筆時点では、第八回展の閉幕直後で情報不足のところもあるので、現時点で不明の部分は判明次第追記していく予定だ。
・ディレクター→リウ・ディン、キャロル・インホワ・ルー
・総入場者数→現時点では不明
・チケット販売枚数→現時点では不明
横浜トリエンナーレの中止延期
横浜トリエンナーレは基本的に3年に一度開催している。しかし、長い歴史の中では、予定通りにいかないときもあった。
ここでは、過去にどのような理由で中止延期したのかを詳しく説明する。
横浜トリエンナーレ (2004年)
第二回目の横浜トリエンナーレは、2004年に開幕が予定されていた。しかし延期して、当初予定から一年遅れの2005年に開幕することになる。
第二回展が延期した理由としては、①会場探しが難航した (2004年2月にようやく決まる) 、②ディレクターと横浜市の対立 (結局、初期のディレクターは辞任、新ディレクターが選ばれる) があったためといわれている。
横浜トリエンナーレ (2023年)
第八回目の横浜トリエンナーレは2023年12月に開幕が予定されていた。しかし、半導体不足の影響により、メイン会場となる横浜美術館改修工事に遅れが生じた。
これに伴い、第八回横浜トリエンナーレの会期も変更。変更後は2024年3月15日に当初予定から約3カ月遅れで開幕した。公式からも、下記のようにアナウンスされている。
2023年12月開幕を予定していた第8回横浜トリエンナーレ(「ヨコハマトリエンナーレ2023」)の会期について、次の通り変更することをお知らせします。
【会期】 2024年3月15日(金)から6月9日(日)まで(約80日間)
※会場として予定している横浜美術館の改修工事について、世界的な半導体不足の影響により、工期延長が見込まれることが判明したため、会期を変更します。
引用元:https://00m.in/KKeJg
横浜トリエンナーレのQ&A
ここでは、横浜トリエンナーレのQ&Aとして、多くの人が疑問に思うであろうことを質問・回答方式でまとめた。
横浜トリエンナーレの所要時間は?
その年の作品数などにもよるが、しっかりと見るなら最低でも丸一日はかかるだろう。
参考までに私は2024年の横浜トリエンナーレを鑑賞したが、メイン会場の作品を見て回るだけで6時間かかった。無料で見られるエリアの作品、関連するイベントまで観賞しようと思えば、さらに時間はかかるだろう。
このように横浜トリエンナーレは大規模なアートイベントなので、それなりの時間は必要だ。通常の美術展のように、数時間程度で鑑賞できるものではない。
横浜トリエンナーレは無料?
結論からいうと、誰でも無料で作品鑑賞できるエリアが設置されることはある。たとえば、2024年の横浜トリエンナーレでは、クイーンズスクエア横浜などでそのようなエリアが設けられた。
また、近年メイン会場の一つとして使われることが多い横浜美術館では、正面から入ってすぐに「じゆうエリア」と呼ばれる無料のエリアがある。
ここに展示されている作品は文字通り誰でも自由に鑑賞できる。実際、横浜トリエンナーレ2024が開かれたときもこのエリアの展示作品は、無料で見ることができた。
横浜トリエンナーレのガイドは?
横浜トリエンナーレを鑑賞するとき、その手助けとなるガイドが欲しいと思う人もいるだろう。
開催した年にもよるが、このようなガイドは配布されることが多い。たとえば、横浜トリエンナーレ2024では、鑑賞の手助けとなるガイドやワークシートが公式サイトからダウンロードできるようになっていた。
また、美術関係者が作品解説するガイドツアーが企画されることもある。いずれも、詳しくは ①鑑賞を手助けするガイドやワークシートをご用意しました、②はじめての横浜トリエンナーレ「ちょこっとガイドツアー」の記事をチェックしてほしい。
横浜トリエンナーレの駐車場は?
横浜トリエンナーレを鑑賞するときは、横浜美術館や近くの公共駐車場を利用するとよいだろう。詳しくは下記のリンク先を見てもらいたい。
また、いうまでもないが、会場近くのホテルに宿泊するなら、その宿泊施設の駐車場を利用するほうが便利である。
横浜トリエンナーレの深掘り情報
ここでは、横浜トリエンナーレをよりディープに知りたいあなたのために、いくつかの深掘り情報を紹介する。
横浜トリエンナーレの回り方
横浜トリエンナーレが開催されるときは、複数の会場で作品展示等が行われる。そのため、効率的に見るためには、回り方も重要だ。
これはあくまでも私個人の考え方だが、効率的に回るためには、まずは「メイン会場」を押さえておくべきだろう。また、事前に下調べして、メイン会場以外の作品展示場所やイベントも把握しておきたい。
メイン会場の作品鑑賞を終えたら、後はあなたの興味に応じて移動していけばよいだろう。メイン会場から近いスポットを先に攻略していけば、より効率的である。いずれにせよ、時間はある程度かかるので、余裕をもって計画を立てるのがおすすめだ。
横浜トリエンナーレと黄金町
横浜トリエンナーレ開催期間はそれと連動して、いくつかの展覧会も開かれている。その一つが「⻩金町バザール」である。
直近の2024年黄金町バザールは、下記のような概要やコンセプトで開催された。
⻩金町バザールはアートとコミュニティの関係、アジアとの交流をテーマに2008年より開催しているアートフェスティバルです。
15回目を迎える本展では⻩金町に関わりのあるアーティストをはじめ、アジアや横浜、他都市よりアーティストを招聘し、いくつかの章立てに分けて紹介します。また、⻩金町のまちづくりの歴史を振り返り、その20年の軌跡を辿ります。
引用元:https://00m.in/MVfVd
横浜トリエンナーレの感想や評判
横浜トリエンナーレは開催された年によってコンセプトや内容が異なるので、これまでの歴史をまとめた感想や評判を述べることはできない。
また、ネット上では良い悪い、どちらについても極端な意見が見られる。そのような中、客観的なデータとしては、横浜市が行っている来場者満足度調査 (ヨコハマトリエンナーレ開催報告) がある。
これの最新版によれば、「2017年開催の横浜トリエンナーレ」は来場者の81.9%が満足、5%が不満と回答。「2020年開催の横浜トリエンナーレ」は来場者の68.9%が満足、14.6%が不満と答えている。一つの参考になる数字だろう。
横浜トリエンナーレのサポーター制度 (ボランティア)
横浜トリエンナーレのサポーター制度とは、運営を支えるボランティアのことである。開催のたびに募集が始まり、条件を満たして登録すれば誰でもボランティアとして活動できるようになる。
具体的な活動内容としては、作品の制作支援や展覧会運営支援などを行う。2020年開幕の横浜トリエンナーレでは、1671人がサポーターとして登録している。
横浜トリエンナーレとバッタ
横浜トリエンナーレ第一回展 (2001年) 開催時、多くの人々を驚かせた展示がある。それは、ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルの外壁現れた、全長約34メートル (手足を入れると約40メートル) の巨大なバッタだ。
視覚的インパクトの強いこの作品名は「インセクト・ワールド 飛蝗」 。作者は室井尚氏と椿昇氏である。一度見たら忘れないその姿は、今でも度々話題になっているほどだ。
なお、71日間あった横浜トリエンナーレ開催期間中、実際にバッタが空中に上がったのは、23日と記録されている。現場では、経験した者でないと分からない、苦労と喜びがあったのではないだろうか。
横浜トリエンナーレと一緒に利用したい宿泊施設
横浜トリエンナーレは見どころ満載のアートイベントである。また、横浜は観光地としても栄えており、いろいろなスポットを見て回りたいと思う人も多いだろう。
そのようなとき、一日で全てを満たすのは難しく、必然的に宿泊施設を利用することになる。ここでは、トリエンナーレなどのアートイベントや横浜観光のときに最適な宿泊施設を紹介する。
なお、参考最安価格として出ている宿泊料金は、時期や利用者数などの条件によって変わる。そのため、詳しくはご自身でリンク先を確認してほしい。
ホテルニューグランド
本館が「横浜市認定歴史的建造物」となっているホテルニューグランドは、重厚さを感じさせるクラシックホテルの代表といえるだろう。
実際、過去にはチャーリー・チャップリンなどの著名人も利用した、由緒正しいホテルである。そのため、落ち着いた雰囲気を楽しみたい大人のカップルや夫婦の利用に最適だ。
気になる館内は各部屋はもちろん、ロビーやレストラン、中庭まで歴史を感じさせるクラシックな内装で統一されている。また、夜にライトアップされる外観も美しい。【参考最安価格:12,000円 (税込)】
インターコンチネンタル横浜Pier 8
海に囲まれた埠頭に建設されたホテルが インターコンチネンタル横浜Pier 8 である。このホテルの特徴は、アートを感じさせる館内のつくりと立地を活かした景観のよさだ。
さらに、客室は全室46㎡以上の広さ、船旅をテーマにした室内インテリアは日常を忘れさせてくれる洗練された雰囲気になっている。
まさしく、多様な文化が行き交いながら進化し続ける横浜にふさわしいラグジュアリーホテルといえるだろう。大人はもちろん、特別な時間を楽しみたい若いカップルにもおすすめ。【参考最安価格:18,900円 (税込)】
JR東日本ホテルメッツ横浜桜木町
ポイントを押さえたつくりで、どんな人でも使いやすいホテルが JR東日本ホテルメッツ横浜桜木町 である。
具体的には、館内と室内は清潔感あるシンプルなインテリアにまとめられている。また、セルフチェックイン機を利用してスムーズな手続きが可能など、手間がかからない最新の設備があるのも魅力だ。
そして、産地食材を使用するなど、食べ物にもこだわっているのでそちらの面でも楽しめるだろう。一人旅や友達同士など、多様なニーズに応えるホテルである。【参考最安価格:4,450円 (税込)】
全体のまとめ
横浜トリエンナーレは2001年に第一回展が開幕、それから (基本的に) 三年に一度のペースで開催してきた。
横浜トリエンナーレは大規模なアートイベントなので、開催期間中はいくつかの施設が会場として使われる。また、関連するイベントが一緒に開かれたり、ボランティアが運営支援を行ったりするなど、横浜の文化としても根付いている。
真面目に鑑賞しようと思えばそれなりの時間がかかるので、余裕のある計画を立てたい。ホテルなどの宿泊施設を利用して、横浜観光と一緒にゆっくり楽しむのもおすすめである。
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